気が付けば/あらら
もう既にどうしようもないこと 今となっては止めることもできないこと
部屋中を探し回っても どこにしまったのかも分からなくなったもの
いくら思い出そうとしても ぼんやりとした残像しか残っていないもの
何か大事なものを忘れてきたかのような 取り返しの付かない間違いを犯してしまったような
悲しいと言うにはあまりにも甘く さびしいと言うにはあまりにも瑞々しいような
懐かしいけれども 身を切られるような 胸の裏が焼けるような息苦しさを感じる
どこへ行けば 取り戻せるのか それらが何であったのか思い出せるのか
どこから来たのだったか 遠い昔 訪れたある場所 そのときに感じた空気 そのとき共にいた人々
今も再び会うことのできる人たちよりも もうそれもかなわない人たちのほうが増えていく
気が付けば
そんなことばかりで
この世界は満ち溢れている
ただ私だけを取り残して
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