この子はわたしの/みい
おはよう、
と
立ち止まれるのは
げたばこだけ
あなたは、寒さには気づかない
わたしの
手が赤いのはしあわせだからです
髪が、さっきからおりてきて
邪魔をします
ほら、
この子がわたしのあたたかさです
この子がわたしの心臓です
この子はわたしのこころです
この子がわたしのつめたさで
この子はわたしの子宮です
このせかいを切り取って食べよう
ここにある冬、
すきなようにちょんぎって
あなたはとっても豪快だ
救急車のサイレンを一口で飲み込む
あなたは寒さに気づかない、
わたしのなかで守るべき殻なのです
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