あるまどろみ/番田
何も知らない思いでいると
理解すること自体がないままに満ちている
知識はいつも満たされているが
信じていたのは一体どんなことだったのか
たぶん 私は 何も考えていなかった
そこで 何も言うことができなかった
目の前を流れる時代は ああ だけど
ピンク色の琥珀色の思いに満ちている
そんな気がした 私は今日も
屍であるままに歩き出すのだろう
鼓動だけが 漂っていた
女の子を一人で見ているそのひとときすら
今日も 私は 覚えていない
覚えていないのだ 考えていたはずの 何もかもを
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