陳腐/水瀬游
 
私はこんな時代に生きているから、
運命なんて信じていない。
ここに生まれたのも偶然だし、
今こうしてあなたと話しているのも偶然だし、
人として生まれたのだって偶然に違いない。

でも。
でもどうやら。
あなたと出会う事だけは、決まっていた気がするんだ。


「陳腐ね」
「ええ、自分でもそう思います」
「この歌は誰に?」
「さて、誰にでしょう。わかりませんか」
「さあ、見当もつかないわ」
「そうですか」
「ふふ」
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