赤鼠、白狐 ver. 2/mizu K
 
くくる、くるくる、くくるく、意図して打ち損ねられた火花がくるりと顔色を変えてにたりと笑いながら、下へ下へ、川原へ降りそそぐ、倒れてるわたしにも降りそそぐ、ぶ、あつい、あついと、めだまにはなにみみにしたに、ちりちりと降りそそぐ、焼ける目のまま動けないのならば仕方がないと、わたしの影絵たちが踊る、ふたたび降る、ふたたびあまつぶ、あ、あつい、あついと顔の見えない影がひらひらと踊る、滑稽に踊る、軽薄に踊る、それを見る人は、天上の欄干だ、雲上の気分だろう、橋のひとたちは見事にうち興じている、見ろ、だれかがねずみだ、だれかが、ねずみだ、だれか、知らないだれかが、ま、ねずみだ、あのかわいそうな人に火花を投げつけ
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