夕暮れ/
寒雪
のはず
けれどももし
ミラーの向こう側のぼくが
本当のぼくだったら
普段見ているぼくは
本当は偽者に過ぎなかったら
そんなことを考えてしまうのは
さっきから気配を漂わせている
ぼくの妄想が
肩を叩こうとしているからなのかもしれない
すべてを振り切ってぼくは
家に逃げ帰ろうとしている
一度でも立ち止まったら
たぶんぼくは
泣いてしまって動けなくなるに違いないから
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