さよなら/ピッピ
さよならからはじまる物語は全部つまらない
無言と有言の境界線を綱渡りのように泳いでいく
沖縄、という地名があって
沖縄、という場所があった
そこで世界の一番はじっこは
青い、ということを知ったんだ
ドーナツが裏側へ続く
どうして世界は終わらないんだろう
指で辿ればどこまでも行ける気がして
同じところをぐるぐる巡っているだけなのに
血が通うものにフォークを刺せば
そこから涙が静かに流れ落ちて
いつの間にか消えている
そうして口に含むものに
まだ鼓動が絶えない
辛うじて生きているにすぎないのに
夏が訪れればまた銀河が腐り始めて
星の擦れる音で作ったギター
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