おそくても/佐和
 
たとえば 会話はキャッチボールなのに
     いきなり暴投されたときのひとの戸惑った瞳
     それでもボールをひろいに行って
     丁寧に返球するひとの思いやり
     そんな思いやりの存在に気づくこと無く
     そこいらじゅう まるでドッヂボールみたいに
     投げては返って来ない球に おかしいな、変だな
     と合致が行かなかったお馬鹿さん
     ─運動神経もにぶいわけだね
けど そのお馬鹿さんは正直村のひとだったりするから
責めることは、キレることは、皆あまりしない
たまぁに 人間関係が破たんするほどの失敗を
[次のページ]
戻る 編 削 Point(3)