流域(good morning)/しもつき七
何億の
ひとたちの中心軸で
生産される架空のベッド
おやすみなさい
武装を剥ぎとってねむる子供たちを
今夜は守って、
あすには明け渡す
対岸にだれも待たない橋を
壊れやすいのでひとりでわたって
だから月を光らせた
カーテンを引いて
手を振ろう、
ほら
長い夢のたにまから
色とりどりの祝福と光のつぶて
なりやまないオルガン
賛美歌
というんだって
川下で
足を浸していた
交互に並んだその列を
壊さないようすべての頭をなでて
風が
通っていく
そらがながれる
抱き上げられたことのない子供が浴びる水は
いのちの匂いがする
陽光
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