丘の上から/寒雪
自分が住む街の
ふぞろいな街並みを
見下ろす小高い丘で
今日の命が尽きる時を
まんじりともせずに
見つめるのが日課
そうやってもう
数え切れないくらいの
今日を見送り
来るべき明日という今日を
改めて迎え入れてきた
繰り返し続いていく
朝の挨拶のような儀式
背後にたくさん積みあがった
今日の残骸が
これまでに生きてきた
自分自身の存在証明
脳内に笑顔のままで
留まっているきみの命を
繋ぎとめるための片道切符
今日を生きられなかった
きみの代わりに
命の輝きを燃やすために
今日も今日を見送ろうと
丘の上に立っている
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