灰色の涙/ベンジャミン
突然の悲しみに
わたしがあふれてしまうとき
目の前が真っ白になる
本当なら
そんな色の涙が流れてくれるはずなのに
わたしはわたしのわたしから
さずかったものは灰色の
透明とは遠い色の涙
それでもいいよ
わたしってそんなに真っ白でない
だってほら
自分が一番わかっているじゃない
そうやって生きてきたんだもの
ずっと泣いていたって
この涙は透明になんかならないから
だから今は
まだ泣けることに感謝しよう
灰色に混ざった複雑な自分を
少しでも外にだせるなら
それだけでいいじゃないか
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