汚れてしまった/寒雪
汚れてしまったこころの生地
刺々しく右から左から
吹き付けあざ笑う風の行列に
隠しておいたはずのこころは
小さく大きく傷をつけられ
気がついたら
涙が滲んでしまうほど
表面がすっかりぼやけてしまった
汚れてしまった今の気持ち
振り回されないよう
両手で抱え込んでいても
土砂降りな悪意の雨から
逃れられずにずぶ濡れに
気がついたら
表面を不躾に雨粒に侵食されて
気持ちがすっかり凍えてしまった
汚れてしまった自分の涙
シャワーを浴びても
体から汚れは落ちてくれない
きれいだった自分を思い出して
無理矢理に無様なステップを踏んで
やけに目に沁みる街灯の
けばけばしい灯りの中
帰る場所を探して
ただひたすら進む
それだけが自分が今出来ること
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