津波/北村 守通
 
結局
私にとって重すぎたものを
引き取ってはくれなかった
調整された視覚の後ろから
脳内に浸透してくる
調整された台詞の数々を
より吸収しようと
頭を揺らし
脳内をかくはんしながら
ありがたい
説法を聞いた後に
誰もがそうするように
さも自分が伝道者であるかの様に
説教をぶちまける
そんな
私にとって重すぎたものを
決して引き取ってはくれなかった


  せめて


私を引き取ってくれるのでも
よかったのだが
それすら拒否し
見せ付けるかのように
あさっての方角で
回収作業を実施していた



これみよがしに
これみよがしに
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