大好きな季節/
電灯虫
天を仰いで閉じた瞼に残る残滓が強くて
走り出してすぐにできる野球帽のシミ
着替えた服が重くて,着替えたての服は気持ちよすぎで
この時期だけ毎日顔をあわせる氷の工場で
冷やしてもらったミルクを食べる。
夜もまだまだ元気な雰囲気で
ベランダのすぐそこで怪談のひとつやふたつ,起きていそう。
部屋の中まで侵入しがちな陽射しに起こされるまで,
軽やかな一枚の布に乗って,
とりあえず,一晩休憩。
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