寄り添えど独り/甲斐シンイチ
 
幼いっていうやつのほうが幼い

人生一回こっきり 一本の道しかない

後にも先にもない道

先に行ってる人間なんかいない

僕がはじめての旅人なんだ

見てきたようなことを言うなよ

僕の道では 僕の見て聞いて感じたことが真実なんだ

独りでしか登れない

狭い狭い道の山を登っているんだ

おーい と呼びかけたら山彦じゃない

君たちの声が聴こえてきたらいいな

それでも僕は登っている 独りだけの山を

高い低いは関係ない

寄り添えど 独り

独りであることへの自覚はあるのかい

それだけが幼さだよ
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