どこかの誰かへ/
 
言葉
声に出されることはなく
音として空気を震わせることもない
そんな言葉が積み重なって行く
届けたい誰かが
息をしているのはどこか
いくら探しても見当もつかない
空の下でくるくると踊るばかりだ
結局のところ
「どこか」は「どこか」でしかなく
「誰か」は「誰か」でしかなかった


+


言葉で頭が割れそうになる日が増えた
まるで風船のように膨らんだ自分の頭を
新しい言葉で殴りつける
それはそれでなかなか愉快だったが
そのまま割れてしまうといろいろと面倒だ
湧き出るイメージを
湧き出るままに書き連ね
長い長い手紙として
郵便配達人に渡した
あなたが
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