ロボット/角田寿星
 
「父さん」
「うん」
「もうすぐ俺、初給料日なんだけど」
「そうかおめでとう」
「なにかほしいものある?」

俺の目には父は典型的な仕事人間で
週休二日制になっても
土曜にはいそいそと職場にでかけていった

「ロボット」
「へ?」
「いやだからロボット」
「…AIBOじゃないよね」
「うん」
「……いくらすんの?」
「三千万円」

迷ったあげくに俺は
新しい電動ヒゲ剃りを父に買った
母と婆ちゃんに何を買ったか
まったく覚えてない
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