手紙/平沢ちはる
夢でしか会えない貴方
声を忘れた貴方
最後に会ったのは
櫻の代わりに大輪の華が濡れる
肌寒い日
また出会えると思っていた
また話が出来ると思っていた
また貴方の顔が見えると思っていた
しかし、私たちの「縁」はあれから一度も絡むこともなく
私は貴方の声を忘れ
私は貴方の面影を忘れた
そして貴方は夢に現れるようになった
櫻の華の気配に乗せて
貴方は私に何を伝えたいの
私は貴方に何を伝えたいの
貴方と私を結ぶ「縁」は二度と重なり合うことは
もうないのに
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