a kind of ending/ガリアーノ
六つの日の出を数えたら
もうぼくたちは大人みたいな顔で微笑みを交わしていて
短針の行方なんて意外に呆気ないんだなって思う
アシンメトリーに垂らした茶色い髪のすきまから
こげ茶色の虹彩が覗いている
ぼくのほうはあまり向かずに、川辺の咲きかけの桜ばかり追っているように見えた
とりあえずのカフェで
ライチ紅茶とコーヒーで向き合って
とりとめのない体で、とりとめのない話をする
きみはどんなつもりで今ぼくの前に座っているのかな
俯きがちな視線からはよくわからない
ただぼくには、はにかんだような睫毛の軌跡が変わっていないことだけが確かだ
かつて、かつてあんなにもきみを想
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)