つばめ/朧月
つばめはこんなに
力強く鳴くんだっけか
君はこれはきこえるのかと問う
返事もせずにいた私
小さな小さなからだのつばめ
遠い場所からきたつばめ
おまえに今がわかるのか
もっと小声で鳴けばいいのに
私の耳になぜ今届く
なにも言わない
お前と私が
共にこうして同じ屋根の下暮らしてる
腹部の大きな雌とひとまわり
小さな雄の会話らしきものに
聞き耳たてる
教えてほしい つばめの夫婦
そう思ってみつめてみるけど
つばめは忙しく行き来する
未来を創造するために
去年越しの巣は無事だった
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