日曜日5時55分/田無
時は、なにも解決しない。
時は、なにも洗い流さない。
あれから幾つも月日は過ぎて、君も僕も結婚した。
君に子どもが出来た事を、君の友達から聞いた。
この世で逢えることは、もうないだろう。
僕も君も子どもだった。
僕は、数えきれないほど君を傷つけ、
数えきれないほど、君に傷つけられた。
でも、楽しかった。
僕の人生であんなに楽しかったことはない。
あの日から、僕は絶望の淵を歩き続けている。
僕は全てを諦めた。この世の中の。
いや、本当は諦めていないのかもしれない。
全てを諦めることができれば、全てを始めることができるのだから。
あの世で君に逢うことができるだろうか。
もし君に逢えたなら、君と一緒に暮らしたい。
さようなら、また逢う日まで。
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