あたたかいその声/望月ミサキ
何かが欠けていても 気付かないフリして
それでも満足して 日々を過ごしていた
すべてを受け入れず 拒絶していれば
簡単に終わっていく 単純な世界
隠してたキズアトが 浮き出す
“もしも あの時 力があったなら”
誰かの哀しみに 共感する
涙は もう枯れ果てて
“大丈夫” あたたかいその声も
届きはしなくて
…そんな気がした
すべてを背負わされ 潰れる位なら
何もかも投げ出して 逃げてしまいたかった
忘れたい あの記憶の中で
“もしも あの時 手を離さなかったら”
誰かの喜びに 共感する
笑顔は もう忘れてて
“笑ってよ” あたたかいその声に
応えられなくて
…顔を背けた
誰かの哀しみに 共感する
涙は もう枯れ果てて
“大丈夫” あたたかいその声も
届きはしない
誰かの喜びに 共感する
笑顔を取り戻したくて
“笑ってよ” あたたかいその声に
応えてみたい
…そんな気がした
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