蝶の鏡をもつひと/
こしごえ
っても
ひきかえすことは出来ない、進むのみ
いつでも記憶は暗く透けた影も映す
終えた時はどうか
笑顔でいてくれるだろうか、とひやり閃く
明日もあるとは限らない
それでも!
映した像が独りあるきつつ
手をつなぐ
うしなわれた足跡は
永遠にとどまる
一輪の光を吸う
はき出されたため息は、
夕空へ雲をひとつ浮かべ
赤く染める。さなぎのからを
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