響/刀
会い、争いが起きなかったことはない。」
これは、誰もが知っていることであり、族から抜けようとする者に口癖のように、そして自身への戒めのように語られる。しかし、血と血を混ぜ合わせていけば、より濃い血が作られ失敗するのは必至であり、そこへ新しい風を吹き込むため他の部族から子供の取引が行われる。そんな中、訛偽族は異質な存在だ。
訛偽族はすべてが偽りと訛す存在。
あらゆる族の掃き溜め。
すべての族の吹き溜まり。
知恵を持って他の種族を騙し続けて生き抜いた種族。
最弱最低最悪の裏切りの種族。
“敵の敵は味方。裏の裏は表。それでも嘘の嘘は真実にならねぇのかな?まぁどうでもいいや。少し眠れ。”
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