僕らの失敗/小川 葉
あるひきみは
ねむらないことにした
さみしくなったら
おいでよ
いつでもきみを
なぐさめてあげるから
と、いって
なぐさめられるりゆうなど
そのときぼくにはなかったけど
あるよる
ほんとにおきてるのかよと
きみのいえをたずねた
するときみはいた
めをあかくして
きみはコーヒーをいれてくれた
よあそびはきらいではなかった
ぼくにとって
それはおもしろいことだった
べんりだな、って
あるよる
ぼくがねむっていると
きみはぼくのアパートの
とをたたいた
コーヒーをいれてあげた
そうするよりほかなかった
きみはべんりだなと
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