黄金の唐揚げ/
朧月
泣けてくるんだよ 嬉しくて
唐揚げがでたのだという
薄い色の牛丼や非常食のような食事ではなく
唐揚げがあたたかく運ばれたと
デザートとしてイチゴがあったんだよ
食えなかったよ
こんなもん食ってない人のこと浮かんできて
よかったね の文字も待たずに君はかく
私の瞳もみないで
うっすらと涙の浮かんだ君の
胴体にぎゅっと巻きつけた
両腕を切り離して君と共に
どこまでもゆけゆけ
明日もまた歩く君と
被災地という名ではなく
私たちの故郷へ
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