春2/番田 
 
つも見ているようだった
あの少年の 微かな記憶なのか
出て行くことだけは 簡単だった
日常だけが ただ あるようだ 



そうではないものは何だろう
だけど 何もかも 自由だったらいいのに 
あの溜まっていた金はどこに行ってしまったのだろう 

何曜日だろう 今日は  
食パンを囓っていた  
たなびいていた 風だけが 
夢として見ていた気にさせられている
何もかもを 忘れてしまった 



一体 どこに 旅立つというのだろう
そして 一体 どこに 行くのだろう
人のいなくなった 景色の 中で
羽を生やして 飛んでいきたい


とても 辛いものを 食べている
冷たい水を 飲んでいる 
温かさに 満ちた 風呂に入りたい
靴も新しいものに 変えたばかりだ


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