ライラック/番田 
 
古新聞を 枕にしていた
全て 人間として行く場所は 決められているのだ
ああ たぶん 人間というものは幸せにはなれないだろう
群衆をなして女子高生が脇を通り過ぎていく


なんとなく そこで 夢見させられることがあったにしても
人としての それぞれの生き様は憂鬱に向かうだろう
きっと 私は 街の中から もみ消された 
群衆をなして女子高生が脇を通り過ぎていく


どうなっているんだと
日が暮れるまでトラックの隅っこで眠った
自分自身の 言葉としての 思いだろうか
群衆をなして女子高生が脇を通り過ぎていく


どこに その 自分であることの本音はあるのだろう
すべて 言いたいことなど 閉ざされてしまった
街の光の中を奥地へと練り歩いた
群衆をなして女子高生が脇を通り過ぎていく時に
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