線路を歩く/構造
感情のほうが強くなった。
動くなと念じつつ歩ききり、東照宮の踏み切りに合流して一般道に戻った。
こうして俺は寝てたら元の仙台に戻れればいいなという、ありえないが、どこかに
ぬぐいされず残っていた幻想をありえない想像であきらめたことになった。
通過儀礼にしては、われながらしょっぱいバンジージャンプだなと思いながら
タバコをふかした。横の空き地にゴミとともにタヌキとキジ、それにイタチの
剥製が捨てられていた。おれはすこしの娯楽として、この三体で三すくみを
どう実現するかというくだらない計算をおもい浮かべはじめた。
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