宛先不明の少女/ななひと
 
はがれていく皮膜に
縫い込まれいく記憶。
遠ざかる人影は、名前のない体温を
そこここに植え込んでいく。
宛先不明の伝言を抱きしめた少女が
それらを踏みしだきながら全速力で走る。


戻る   Point(7)