防波堤/小川 葉
にほんこくは
ちゅうごくのぼうはていとして
つなみからたいりくをまもった
しかしひさいちは
げんばくをとうかされた
しょうどのけしきににている
このくにには
かいこくされたれきしがある
あのぼうはていを
てにいれなければと
それがなければいまも
さこくしたままの
ちいさなしまぐにでしかない
こくさいかんけいが
なかったら
わたしたちは
みぎもひだりもない
ただのにほんじん
だったのかもしれない
とざされた
そのくには
たいこくどうしの
あらそいをふせぐための
ぼうはていだった
ちりてきなやくわりとして
そこにあったなら
このくには
さこくしたまま
ぼうはていのままで
よかったのかもしれない
それがこのくにの
あるべき
りゆうなのだとしたら
じしんやつなみ
そしてほうしゃのうも
うけとめているのだとしたら
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