象形文字/
佐倉 潮
子供達のいない公園は
時折り古代遺跡になる
すべり台は物見の塔
ブランコは祭り道具
砂場は野菜の洗い所
一つ一つが遥か彼方に
置いてきた記憶の欠片
回転遊具の中に入って
見上げると、あかね空
回る球体の骨組みは
いにしえの象形文字だ
言葉は全部はがれ落ち
今はただ、在りのまま
一人の私を包んでいる
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