走れ、走り続ける。/ブライアン
 
くびをしながらペットボトルを手渡してくれる。もう、限界じゃないのか、と友人は言った。そうか、限界なのか、と思った。それでも、走れ、という奴がいる。 ペットボトルを友人に返す。1時限に間に合う時間まで走ることにする。

 ここはどこだろう。見覚えがある。海沿いに立つ工場の煙突。煙が出ている。芝の上、遊具の上に子供連れの家族がいる。太陽はもうずっと上のほうにいた。公園の端から海を眺める。足元には発電所がある。長く延びた堤防。高い波。海の花が舞っている。
 かつて、走るためだけにここへやってきた。合宿の最終日、ジョギング程度の軽い練習。芝生の上で筋力トレーニングをしたあと、公園内をジョギングした。
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