祈る/
森の猫
初めて見たドームは
夕日に染まり
厳粛にたたずんでいた
静かに
手を合わせ
一心に祈った
身を切る
冬の川風が
頬に痛かった
1945年の夏
人々は
経験のない
爆破の意味も知らず
ただその惨状に
甘んずるしかなかった
今また
世界中が
この極東の地に
注目し
核の意味を
考え
祈っている
60年以上経過した
英知の集結は
必ずや
この地を
平和へと
導くことを
信じて
祈る
ひたすら
祈る
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