千秋楽/かいぶつ
 
おんがくもことばも欲しくないとき
私は夜の校庭にいく
数珠のような虫の音を拾いに。
夜の小学校は夜の公園みたいに
うずまいていないところが好きだ。
物腰というか、何か平べったい姿勢を感じる
それでいて野暮でぜいたくな長方形は
月明かりに照らされて
 
校庭の真ん中、地中深くに
クジラのような巨大ミサイルが眠っている
午前2時の空想にルールを持ち込んではいけない
と学校では教えてくれなかったかわりに
教えてくれたのは孤独だった
孤独という言葉はこの世でいちばん不潔な言葉だが
この世でいちばん唾液に寄り添う言葉でもあった
産まれてまっさきに咥えてしまった乳房も
孤独の
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