アラスカ7〜気分は開高健〜/鈴木もとこ
 
デナリからの帰りのバスでは、日本から持ってきたテープに詰め込んだ曲達が流れる風景に
彩りを添えていた。Bスプリングスティーンのしわがれた声が黄昏のアンカレッジの街に溶
け込んでいくようだった。
明けてアラスカ5日目。今日はオプションのフィッシングツアーに出かける日。
朝7時。集合場所のヒルトンホテルロビーで待っていると、サングラスに太めのアメリカ人
男性が話し掛けてきた。当然英語で。そう、今日は通訳なしの自分で英語を話す1日なのだ。
ぎこちなく「は、ハロー」と挨拶をする。
ツアーのバンはヒルトンを後にして、途中市街地でスタッフらしい男性を乗せる。
「あのー他のツアーの方は・・・」(
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