言えはしないのだ/
緋乃村燿介
静かな
室内に
響き渡る
君の
甘い寝息
月光に
照らされ
妖艶に輝く
君の
細い首筋
触れる素肌に
微笑みを返す君
まるで――
と
息を呑む感想
白い羽が見えたのは幻か現か
口にすれば
天へ帰ってしまうのではないかと
不安になったのだから仕方が無いんだ
君が
天使に見えたことなど言えはしない
言えはしないのだ
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