愛/小川 葉
 


じしんも
つなみもないせかい

そこでも
きみはしんだのか

じしんと
つなみのだいしょうに

あいだけがある
そのせかいで





そっちにいくなと
わたしはいった

あいいがいに
なにもないそのほうへ

でもわたしが
まちがっていた

なみだがとまらないのは
あいのため





わたしはまだ
わすれない

きぼうにみちた
きみのかおを

まだわかい
そのからだには

しそんが
やどっていたはずだ





いきていてほしい
しなないで

きっとどこかで
いきているはずだ

じしんとつなみしかない
このせかいに

あいがないとは
しんじにくい





わたしは
かぞくをしった

かけがえのない
たいせつなものを

しだいに
あいがみちていき

やがてそこから
あふれていった


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