刻んでやる。/電灯虫
世界に名だたる名指揮者の下で、
それは華麗に綺麗に罵倒されている。
どこに出ても恥ずかしくないのが設立目的の楽団では、
不協和音の叩きは速く、
一般的大人代表のマエストロが知れた顔してアドバイス。
「一般」なんてあるかないかも知れないものを、
したり顔で首からさげるあんたの要素は、
何一つ、聞いてなんていられない。
横で座るニヒル君は、
名に恥じぬ関係ないという自然。
けれども、
相対主義者が相対主義を相対化するように、
ニヒル君を笑う斜め後ろのニヒル君。
そんな無限ループ気取るのも、
鼻の奥で笑いたくてたまらない。
だったら。
観客席に座る自分とい
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