うたうたい/朧月
 
言葉など無力でしかないと
何度思い知ればいいのだろう
たった一滴の水をとめることもできやしない

いつの日も
私の言葉が間に合ったことはないのに
うたをうたわずにいられないのだ


この景色の前でさえ
嘆く言葉に耳を目を
ふさぐ人々の前でさえ


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