生きてない、死んでない。/うんち
 
世界の裏にいたとき
とりとめもなく群がる人間の雑踏の絵が、ありました。その絵の中に、自分の体はハッカ飴みたいに白く浮いているのではないかとふいと足下を見つめる女の人が、いました。女の人ははたからみてほとんどなにかがなにでもなく流れてゆく色のない水としてきれいに過ぎ去ります。透き通っていれば、灰の色をした中年と たくさんの子歩きの子女と 口をぽっかり開けた学生に気付かれることもないわ。青色の男が、見入って私のスカートの裾を追いかけている。男をかかとの下からどこへ流すか迷う。淋しさを静かに胸で篭りそれを響かせておくとあたたかくなる。
この水域まで来てしまえば馴染む動きさえなくともよく、押さえる力も
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