混ざり合う/寒雪
足りないものを
埋め合わせるために
ぼくはきみと
折り重なって
土を被って
ゆっくりとひとつに
混ざり合う
きみに足りなかったものを
ぼくが持っていて
ぼくが望んだものを
きみに求めて捧げた
そうだったらいいだろう
現実はどうか
きみとぼくが
お互いの部品をばらして
パンの上で
溶かしたバターみたく
おいしく食べられる
なんてことはなくて
お互いの
見せたくもない
嫌な部分も
たくさん流れ出して
心の隙間を埋めていく
そうしてキャンバスの上で
描かれたぼくらの姿は
美しいものだとは
とても言えないけど
少なくとも
そこにいるぼくらは
とてもリアルだ
それだけは保証してもいい
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