【批評祭参加作品】となりに、近くにいる人は簡単には理解しえない。 佐藤泰志『海炭市叙景』のこと/mizu K
 
年に集英社から出ていたものの品切れのため長らく絶版状態であったが、2007年に文弘樹(ぶんひろき)が主催するクレイン(東京・武蔵野市)より『佐藤泰志作品集』が出版。
 これが作者の故郷である函館市で話題になり、市の映画館シネマアイリスの菅原和博(すがわらかずひろ)支配人らが2008年に作品集所収の「海炭市叙景」の映画化を、映画監督・熊切和嘉(くまきりかずよし)に依頼。市民から1200万円の寄付金も得て、2009年に映画制作実行委員会が設立。
 その途上で映画スタッフのひとりがTwitter上で「映画化されるので原作の文庫があれば(大意)」との書き込みを書評家の{ルビ豊?由美=
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