【批評祭参加作品】書くということについて/kaz.
 




書くということはどういうことか。書くことは何を意味し、何を物語るのか。未だかつてこの問いに満足のいく答えなど出されたことはあったろうか。否。しかし私がこうした問いに立ち向かうことに何らかの意味があろうと想像したりすることに、何ら抵抗がないのも事実である。

テクストという言葉が存在するように、いわゆる「書かれたもの」に対する考察は、かつてからよくなされていた。何が書いてあるのかを読み解く。それは最初、作者が何を書いたのか言い当てる、そんなところから始まったように思う。けれども、何が書いてあるのかなんて、本人さえも分からない、例えば言語や歴史の影響は排除できない、ということになっ
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