傷/小川 葉
 


もう
わかれてくれないか
きずがつくまえに

わかれてくれないか
そうすれば
きずはつかない
そのきずだらけの
こころに

もう
わかれてくれないか
そんなしあわせのありかたも
あるのかもしれなくて

わかれてくれないか
きぼうのように
きみにいう
つまよおまえを
あいしていないわけではない

わかれてくれないか
あいしてるからこそ
きずがつくまえに





たまにはむすこに
あわせてくれ

きずはみえないように
わらうから

さいこんは
しないでほしいけど

おれはゆるす
ふたりがしあわせになるのなら
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