生えて来ていた弥生/小池房枝
叩くよ
部屋中にイチゴの香りが溢れてる早くケーキに閉じ込まなければ
「かなしい」は零れて落ちる「かなしみ」は名前をつけて抱え込まれる
満開の花は寒さに守られて長らえるでしょう花の命を
一度咲いた花は氷雨に打たれても蕾に戻ることは出来ない
車窓から見えてる景色に身をおきに行こうかそして電車を見るんだ
ピーとポー、ふー、ぐー、まー、以下、えとせとら。
怪しき家族ここに集えり。
片袖だけ通しておいで去る日には淋しい人にひかれないよう
クッキーを作りたいのに小麦粉をなぜか出す気になれない春の日
花梨きみの愛らしい花を覚えてる季節の最中に
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