虚構/平沢ちはる
 
ー私はもう誰も信じない

彼女は虚空を見つめて
彼女は声を潜めて
彼女はその言葉を噛みしめて

そう言った

ー人生なんてフィクション
 いくらでも偽れる
 だから、私は偽りの人生を歩むの

"救い"なんて求めない
"愛"なんて知らない
"安息"なんていらない

偽りの愛を糧に
それが"安息"だと自分に言い聞かせながら
生きていくのー


そして闇が彼女を優しく包み込む


それを否定する事がボクには出来なかった
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