十八/佐古
このスカートにどれだけの価値がある
教室の机のにおい
黒板とシャーペンの筆圧と
だれかとだれかのはしゃいだ声を
どれだけ耳に溜めてきただろう
毎朝きみを嫌いになった
とても狭いその部屋に
いったい何があったんだ
きみのくちびるの裏に
いったい何があったんだ
排気ガス吸って生きてんの
制服の裾のほつれと
すりぬけていくきみたちの嘘
愉しい話だけをしよう
教科書を眺めながら少し泣いた
毎晩きみを傷つけたかった
だれかとの距離は腕の長さほど
どれだけの愛だったんだ
きみのやさしさの下に
どれだけの愛があったんだ
副流煙吸
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