[:ink]/プテラノドン
 
や、仕事のこと。庭先で酒を飲みながら
友人の運転する白いベンツが来るのを待って、
そのままどこかに遊びに行くこと、
見ず知らずの女の香水をかぐのも楽しいね。
とはいえ、手帳と同様、カレンダーを埋める×印は墓標。
町一個分かインク一個に匹敵するそこに
どのような営みがあったのか。持ち主以外は知る由もない。
胸を満たす時間や誓い合ったその姿ですら
忘れているかもしれないけれど、やっぱり
掴んだ手は離さない方がいいな。ペンであれ、誰かの手であれ。
そして意味の概念の波に飲み込まれる前のその感情くらいは
言葉にしたいものだ。
鼻で笑うような単語や名前、昔もこの先も
鼻で笑うくらいの気概があるうちは。


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