知らないこと/朧月
冬には冬のうたがあるように
きっと今頃にもあう うたがあるのだろう
知らないということは幸せなことで
季節にも うとくてすんでしまう
桜が咲いたら春だということにしている私にとっては
今もまだ冬のさなかなので心も寒い
とかく忙しく過ぎてしまったと
言いたいために目をつぶる二月
君が遠のくことも十分にわかっているのに
また私は知らない
今夜も重要な日のひとつだということ
窓の外の景色も昨日と同じじゃないことも
準備中の札がいつか
商い中に変わってしまい
だれもかれもが席をみつけ
埋めてしまうのに
また私は知らない
なんにでも終わりがあることを
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